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いまさら冬ソナ 第6話「忘却」 死者にとって忘れられるのは幸せか

◆友人のDVDにて視聴。完全版の放送が始まったが,BS2との画像比較は,これからの楽しみにとっておく。

◆今回のエピソードもなかなかにすばらしい脚本。「忘却」のタイトルは実にわかりやすい。すなわち,今回最も印象的なのが,ユジンが,ミニョンに向かい,毅然と言い放つ下りだ。「あなたは,本当に人を好きになったことがありますか?」「これまで息がかかるくらい近くにいた人がいなくなった寂しさがわかりますか?」「周りの他の者が何も変わらないのに,一人だけいなくなった気持ちが」「その人のために涙を流すことは間違ったことですか?」ユジンの顔を正面からとらえたショットは彼女の毅然とした気高いまでの美しさ,これまでのつらさをよく表現した名シーンだ。

◆ミニョンはクールに「死んだ人にとって一番幸せなのは,忘れてやることだ」と返す。が,ミニョンも,ユジンの主張に,心動かされている。

◆ユジンも同様にミニョンの言葉に心揺り動かされている。「チュンサンを忘れることが,彼にとっても自分にとっても,婚約者にとっても一番幸せでは無いか」と。じっと,窓の外を見つめるショットで,それを表現している。

◆ユジンはその答えを見いだすべく,母に電話する。このシーンがまたいいなあ。母は,縫い物で手が離せないので,肩電話(肩に電話を乗せて話す)である。そして,亡き夫のことを,いいことも悪いことも全部覚えている,「永遠に忘れられないんだよ」という。ユジンには明確な回答となったであろう。この肩電話の演出がいい。構えない,さらっと話す中に真実が織り込まれているのだから。

◆それから,今回はユジンのうつうつとした表情ばかりでなく,持ち前の明るさ,世話好きな面が,宴会での現場の「おじさん」との関係,そして「歌いまーす」と空きビンをマイクに歌うところもさわやかなり。

◆完全にはまっちゃいました。今更だけど,「冬ソナ」

いまさら冬ソナ 完全版スタート記念

◆友人から借りた「冬のソナタ」DVD全巻、ぼちぼち視聴中。本日12月20日よりBS2にて完全版(毎日2話ずつ)放映を機に、「いまさら冬ソナ」と言われそうだが、ご勘弁。

◆第5話「罠」まで視聴した。このエピソードは秀逸。ミニョンを取られたくないチェリンの女心故の謀略がよく理解できる。チェリンは高校時代にもユジンに好きな人を奪われたのであるから、今度こそはというその思いがよく描けている。

◆また、酔いに任せて、ミニョンに「初めて好きになった人に似ている」「初めて・・・」の告白の時のユジンの表情がすばらしい。「初めて」は、チョンサンが夕暮れの音楽室で弾いたピアノ曲であり、その後放送室で、そして卒業間ぎわにもユジンがよく流していた思い出の曲の題名と付合する。いい脚本だ。

◆閑話休題。キム次長は、「ラスト・プレゼント」でも楽しい役をやってくれていたと思いますが、どうだったかな?

elephant RPG的視点

◆Harinezumiさんの「命がけおすすめ」に触発されて,リクエストしたレンタルDVDにて視聴。

◆コロンバイン高校での銃乱射事件をモチーフにした作品である。終末の銃乱射以前には,ストーリーはなく,高校生たちの普通の日常が淡々とつづられる。

◆アル中の父親に手を焼いているジョン。写真部だろうか,さまざまな対象をカメラに写しては,自分で現像しているイーライ。あけすけに「だっさーい」と罵られるミッシェル。いつもべったり3人組のジョーダン・ニコル・ブリタニー。ジョンのガールフレンドで,異性・同性愛会(?)で意見交換をするアケイディア・・・。

◆特筆すべきは,そのカメラ視点。カメラは,高校生の後をついて,ハイスクールの中をふわふわと移動する。画面には追いかける生徒の後頭部が映る。音楽はなく,その場その場の音,たとえばロビーに流れるライトクラシックやフルートを練習する音,カフェテリアでの歓声などなどがまさにBGMとなる。これは,RPGゲームの主人公のような視点だ。これにより観る者は自分がハイスクールの中を漂っているような感覚をもつ。ハイスクールの中は掃除がゆきとどき,廊下も実に広い。設備も充実しており,学生たちも活気に満ちていて自由な雰囲気を満喫できる。


◆メイキングによると,台詞は生徒たちのアドリブだそうだ。ストーリー展開がないので,それで可能なわけだ。おもしろい着想である。

◆ある事件がおこるまでの普通の日常を淡々と描くことで,その後に起こる惨劇との対比が鮮明にされる。これと同じ着想の邦画がある。黒木和男の「TOMMOROW明日」である。長崎原爆の落とされる前の日のいくつかの家族の生活が,普段の生活が淡々と描かれる。彼らの明日には死が待っているというのに。観る者は,明日起こることも知っているから,この普通の日常を必死に生きている登場人物があわれでしかたない気持ちになるのだ。

◆悲劇は普通の日常を引き裂いて,突然に迫りくる。しかし,予想することはできない。主人公たちのように,その日の日常を普通に必死で生きていくしかない。

◆暗示:ヒトラー,ベートーベンの「月光」ソナタ,「エリーゼのために」

チャングムの誓い 第11話 深く不覚!

◆あな悲し,昼間の勤労の疲れか,はたまた,夕食の少量のビールに酔うほど酒に弱くなったか・・・・楽しみに第11話の冒頭を観ていたのに,次に気がついたときには,予告編。♪オナラオーナラのテーマソングが流れているではないか。ああ不覚,深く反省。

◆他のブロガーの皆さんの意見で,内容を想像しよう・・・トホホ。

ふたご座流星群2004 島の冬空は満天の星

◆13日から14日にかけては,ふたご座流星群の放射ピークにあたる。13日夜は新月の次の日で,さらに晴天であり,観測には最適であった。

◆完全防寒に身をつつみ,自宅の前庭にいすを置き,オリオンの方をぼうっと観ていると,出た出た。美しいしっぽを出して,天空をかける帚星。

◆30分くらいで10個くらい観測。子供たちも出てきて,一緒に楽しんだ。

◆それにしても,島で観る冬空の星の何と美しいことか。数年前は,獅子座流星群を午前3時頃たくさん観測したが,今回のふたご座流星群は一晩中出ているので観測しやすい。まだの方は,今晩がチャンス。

ドーン・オブ・ザ・デッド (2004) 全速力ゾンビ

◆レンタルDVDで視聴。ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」のリメイクであり,正直それほど,期待はしていなかった。ところが・・・。

◆冒頭から終末まで,まったくゆるみのない,緊張感あふれる作品に結実している。元の「ゾンビ」はLDで所有しているほど,昔から大好きな作品であった。本作はそのリメイクとして徹底したエンタティメント性を追求し,実に楽しめる逸品である。

◆主人公アナは,突然の近所の女の子のゾンビ化,そして愛する夫のゾンビ化をも乗り越えてショッピングモールへ避難。そこで,これまでの悲劇を改めてかみしめ,一瞬悲嘆に暮れるが,後は戦う気丈な女として描かれる。人間の生き抜くための本能を越えて,その気高い力強さには感動する。

◆愛する人がゾンビ化して襲ってくるという地獄が次々に描かれるが,中でも妊婦である妻を守ろうとする黒人男性の悲劇は心に突き刺さる。ベビーゾンビは,予想はしていてもいただけない。夢に出そうだ。

◆文字で連絡を取り合い,友情を結んでいく黒人警官と銃砲店主アンディもつらい悲劇である。「すまんな相棒」と引き金を引く悲しさ。このような一つ一つの悲劇のエピソードを,さらっと描いているのが,スピード感を落とさなかった理由だ。

◆スピード感を最も高めているのは,旧作「ゾンビ」との最大の違いでもある,全速力で追ってくる元気なゾンビたちだ。彼らは何もしゃべらないが(これはゾンビ3より退化。たしか,ゾンビ3では,知性を持つゾンビが出た),生きた人間を食う本能が全速力を生むのか。あるいは,ダン・オバノン解釈(「バタリアン」参照)のように,脳みそを食わねば苦痛が走るのか,それは定かでないが,とにかく元気がいい。元気がよすぎてゾンビらしくないともいえよう。しかし,そんなことは,後で振り返っておもうばかりで,鑑賞中は,そのスピード感に圧倒され続ける。

◆エンドタイトルが出ると,席を立つあるいはDVDをストップさせる方,要注意!エンドタイトルに結末が記されている。それも,船においてあったどうも8ミリキャメラのような主観映像で示されるのは,なんともすばらしきアイディア。

◆そういえば,この映画2004年公開だが,その画像はざらついており,70年代の劇場で観ている感覚を模しているようだ。その辺も計算尽くであろうが,そんなことはどうでもよい。とにかく映画に身を任せよう。とんでもない疾走感と終末感が結合した作品だ。

(改造バスと群がるゾンビたち。いいねえ。こわいねえ。)

◆評価☆☆☆☆

24サードシーズン vol2 ミッシェルの気丈

◆トニーが首を撃たれ,病院へ搬送される。ジャックはミッシェルに連絡し,「職務を誰かに引き継いで病院へいくか,もし,続けるならばつらいだろうが全力で職務に当たれ」と選択をミッシェルにゆだねる。交代要員のいないCTUを自分が仕切っていくことを決意するミッシェル。

◆大統領とのTV会議にも的確に答え,部下の引き継ぎ要請も,現状を考えてぴしゃりと却下する。その気丈さに感動し,かっこいいと思う。もし,自分の家族が重傷を負ったとするならば,自分は職務を継続することができるだろうか。仮に継続の道を選んだとしても,たぶん集中できず仕事にならないだろう。

◆セカンドシーズンから感じさせていたミッシェルの仕事への集中力と,自分の判断を信じ,ひたむきに突き進む姿は,今回のエピソードで完全な形で表現され,まさに優秀な尊敬すべき女性となる。

◆さて,物語が進むにつれ,いくつかの恋に同時に破綻の影が差す。キムとチェイス,サラザール弟とクラウディア(サラザール弟に銃口を向ける!),そして大統領と主治医アン。ますます,観る者を引きつけ,「やめられない,止まらない」状態にしてくれる。すばらしきドラマだ。

壱岐の島弦楽四重奏団 宴会本番

◆12月2日木曜日。ついにやってきた我ら新生「壱岐の島弦楽四重奏団」今年度初めての本番の日である。

◆出番は5番目。午後7時すぎとなる。6時から最後のリハーサルを行い,本番を待つばかり。本番を終えるまでは酒は飲めないので,ウーロン茶でのどをしめらす。酒は飲んでもいいのだが,確実に演奏の精度は落ちる。先輩から受け継いだ言葉だ。「少しアルコールが入った方が気持ちよく演奏できるんじゃない」との誘惑の言葉に,必死で闘い,酒で陽気さを増す会場で,4人はひたすらウーロン茶で頑張る。

◆ついに,出番の時がきた。打ち合わせ通り,挨拶の礼をして着席したら,すぐに「アイネクライネ」を弾き始める。これはかっこいい。以前ヨーヨーマのコンサートを聴いた際,彼は出てきて着席するなり,いきなりバッハの無伴奏1番を弾き始めた。本当になんでもないように。かっこよかった。我らのスタートもそう見えただろうか。

◆「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」1楽章は何度も練習を重ねた成果が出て,気持ちよく演奏ができた。弾くほどに楽しくなる。やはりモーツアルトは天才である。

◆私のMCをはさんで,2楽章を演奏する。会場は少しざわざわが戻る。やはり緩徐楽章で耳を引きつけるには,我らの演奏は不十分だ。ゆっくりした楽章がうまくできるようになれば,一流のアマチュアといえよう。まだまだだ。

◆その後,メンバー紹介をし,編曲物の「瞳を閉じて」「冬のソナタ」を演奏したが,自分としては楽譜を追うのが精一杯。左手にも力が入り,終わったときは痛みが走る始末。脱力は自分の最大の課題である。これまで数えきらぬほどの本番を経験しているのに,どうしても力が入って美しい音,響きのある音にならない。まだまだである。やはり,日々の練習を欠かさないことである。職場の昼休みに少しでも楽器に触れたい。

◆おかげでアンコールもいただき,「津軽海峡冬景色」で本番を終えることができた。かなり長い時間の演奏となり,4人ともどっと疲れた。

◆後半皆が楽譜を追うばかりで,互いのアンサンブルの電波をやりとりできるまでに至らなかったことは,反省しなければならない。もっと,曲を研究し,さらい,互いの音を聴きあわねばならない。その先にアンサンブルの本当の喜びが待っている。

◆次の本番も決まっている。自治会の新年会での演奏である。できるだけ,練習を組んでいきたい。

宮廷女官チャングムの誓い10話 クミョンの闘い

◆チェ一族の繁栄の秘密が明かされる。宮廷での謀略の見返りとして,巨万の富を得ていたのだ。その事実を知らされ,さらには自らが謀略の実行を命ぜられ,クミョンは苦しみもがく。が,真に料理人としての腕だけでチェ一族を継承していくことを決意し,自分の代で謀略を終わらせるべく,謀略に手を貸すことを引き受けてしまうクミョンの葛藤に感動する。

◆チャングムはといえば,母の料理日誌探しに必死であり,ついにそれを見つける。ところが,チェ一族の謀略の疑いをかけられ,またもや窮地に。水さえ与えぬ監禁は,女官世界の残酷さを表す。

◆自分の一族の秘密を知ったクミョンの苦しみと,母の言いつけでどうしても弁明できないチャングムの苦しみ。過去の重みを背に,過酷な運命と直面する二人を描いたエピソードであった。

ドクターズ 第1話・2話

◆今をときめく、チャン・ドンゴンと我らがチャングムことイ・ヨンエ様の共演による、医学ドラマの第1巻。レンタルDVDにて観賞。

◆次々に医学用語が飛び出し、リアルさを出している。用語についての解説がちゃんとハングルで出る。ところがこれが消せないのが残念。難解な医学用語は、日本語字幕も付き、親切である。

◆さて、我らがイ・ヨンエ様は内科のお医者様。ヨンエ様から「手術中毒」と呼ばれるほど、手術に関して燃える医師をドンゴンが演じる。二人は恋仲であったが、自分の思うがままに生きるドンゴンは、ふいと外国の研修に出てしまい、帰国してからも、そのことで二人は折り合いが悪い。

◆ドンゴン演ずる医師は、何でも自分の思いのままになると考えているところは鼻持ちならないが、彼のすることには筋が通っており、矛盾することも浮ついたところもない。冷徹なまでに医学の道をつき進む。その周りが、「白い巨塔」ばりの謀略暗躍の腹黒い人間たちばかりだ。対比的にドンゴンは純粋である。純粋さゆえに、謀略の狭間に自ら入っていく。

◆ヨンエ様の白衣姿はまぶしい。また、冬の装いとはく息の白さが、美しい。でも何より美しいのは彼女の声である。決して吹き替えでみるべからず。
あ、チャングムも今度から字幕でみようっと。