星空シアター -3ページ目

ルパン ワイルド=猿顔?

かきあげこ
ルパン三世よ永遠に-山田康雄メモリアルー<豪華新装版>豪華本+特製CD

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。深夜にてヘッドフォン2ch音声で鑑賞。

◆少年時代に読んだ「ルパンシリーズ」のしゃれてスマートなルパン像。ルパン三世のおどけたひょうきんな猿顔ルパン。そんな二つのルパン像の中間というか・・・中途半端というか。映画「ルパン」のアルセーヌはワイルドというより猿顔。フランス人と言うよりアメリカ人。そこからして,「あれ?」という感じ。


◆それに加え,魔女カリオストロ婦人は不死身の不気味さ。ルパン三世「カリオストロの城」で清純無垢な印象が確立した「クラリス」は妊娠しちゃうし・・・・。いろいろなことが壊され裏切られる不快感。


◆クリムゾンリバーあたりから,アクションがカンフーっぽいのは何かなあ。時代も時代だし,冒頭の父のボクシング訓練も,足使うのでキックボクシングじゃないか。フェンシングっぽくクラリスの父と戦う場面があるが,どう見てもルパンの動きの方が稚拙そうな・・・。


◆てなわけで,また残念な映画に時間を費やしてしまった。

◆写真はおもしろそうな本だったので。

コープスブライド CGにない質感!

ワーナー・ホーム・ビデオ
ティム・バートンのコープスブライド 特別版

◆レンタルDVDにて鑑賞。リビングの29インチ直視管モニターにて家族と鑑賞。2ch音声。

◆人形を少しづつ動かしそれを一枚一枚撮影して作製するパペットアニメーション。大変な労力がかかる作業である。特典映像の中で,ティム・バートン監督は「10年かかった」といっていた。それだけの時間と人間の知力が詰まった作品である。


◆現実世界が銅版写真のようなモノクロに近い世界,死者の世界が明るくカラフルという皮肉な対比。現実世界の方が抑圧されており,死者の世界は自由だ。特に,ヒロインの生い立ちを歌で紹介する,骸骨達の歌は,「CATS」のゴキブリ退治のおばさん猫の歌を彷彿とさせる。私はキャッツの中では,「ガス」の歌に次いで,この曲が好きだ。


◆また,主人公ビクターがピアノを弾くシーンのピアノのタッチなど実に見事だ。曲に合わせて動きを撮影している訳だ。NHKの「夕方クインテット」もそうしているんだろうなあ。


◆とにかく,感心することが多い充実の作品である。こりゃ,ナイトメア・ビフォー・クリスマスも観なきゃなあ。そう,まだ観てなかったんです。お恥ずかしい。

かもめ食堂 スローライフ・スローフード

バップ
かもめ食堂

◆長崎セントラル・シネマにて,久々の劇場鑑賞。

◆このところレンタルDVDで観る映画にがっかりしてばかりだった。邦画もハリウッド映画も・・・。ドラマに傾いていた自分を「やっぱり映画はええのお」と引き戻してくれる作品に出会う。幸せ。


◆フィンランドの首都ヘルシンキで撮影された荻上直子監督・脚本作品。キャストは小林聡美・もたいまさこ・片桐はいりとフィンランドの俳優さんたち。原作は群ようこ。いわば国際映画。


◆見終わって,日だまりのようなあたたかり気持ちになり,おもわず笑顔で劇場を出てしまう,そんな映画だ。一言で言うと,「スローライフ・スローフード」ということだが,エピソードの一つ一つとその語り口に,くすっと笑ってじんとくるそんなうまさがある。


◆もたいまさこがドランカーのフィンランド人女性と会話を交わす。片桐が「フィンランド語できるんですか?」「いいえ」。相手の気持ちに重ねることで言葉の壁を越えてしまうそのエピソードは,笑っている客もいたが,私は「これはあるだろうなあ」と共感したしだい。そんな共感できる場面が多いことがすばらしい。だまし合いばかりの現在の日本の現実を忘れさせてくれる。人間っていいなあ。森っていいなあ。おにぎりっていいなあ。おすすめの逸品である。


◆井上陽水の曲が2曲使われている。劇中の方は懐かしい曲。ストリングスに編曲されると,この曲のメロディの美しさが際だって感動した。白夜の夕日に重なる。もう一曲はエンドタイトル。「クレイジーラブ」。この伴奏は,そのまんまビートルズの「オーダーリン」である。グノーのアヴェ・マリアもそんまんま伴奏はバッハの平均率であるのを思い出した。ビートルズ世代にはおもしろい。

消しゴムとNANA ・・・・

ジェネオン エンタテインメント
私の頭の中の消しゴム

◆楽しみの「プリズン・ブレイク」第1部が終了し,送られてきたのは「私の頭の中の消しゴム」と「NANA」。

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。ドルビーデジタル音声5.0音声。「消しゴム」にはDTSもあったんだ!トホ。でももう一度観る気はしない・・・。


◆両作品とも「・・・」のとおりコメントする気も無くなるような作品。「消しゴム」では,主役の美しさが救いか。特にソン・イエジンの美しさは感動的。でも,それだけかなあ。


◆「NANA」は全然共感できない。おじさんになったからかなあ。いや,やっぱ作品しょぼいですよ。


◆今楽しみなのは,「24」第5部と「LOST」と「クッキ」と「純情きらり」,ありゃドラマばっかしだ。変質してきているのかなあ私の感性。

終戦のローレライ スターがぞろぞろなのに・・・

ポニーキャニオン
ローレライ プレミアム・エディション (初回限定生産)

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i。6.0chドルビーサラウンドEX再生。


◆ずいぶん待ってやっと送ってきた人気作である。魅力的な題名。駄作無しといわれる「潜水艦」映画ジャンル。監督は平成ガメラシリーズの特技監督樋口さん。そして,役所広司,妻夫木聡,堤真一,柳葉敏郎,香椎由宇とスターがうじゃうじゃ。それなのに,あんまりおもしろくないんだなあ。


◆特撮もサウンドもすばらしいのだけれど,大事な人間が描けていない気がする。艦長の一度船を降りた苦悩と再び乗る苦悩や友人を見殺しにする妻夫木は,その後は何事もなかったかのようなにさらっとしているし,影の大物である堤の存在感もイマイチ。

柳葉の押さえた演技と香椎のぱんぱんした顔の若々しさは印象に残ったけれど。全体としてスケールが小さいんだなあ。映画って難しい。


◆ブログもさぼり出すと際限なくさぼってしまう。1か月ほどもさぼったけれど,また始めよう。がんばれオレ。

プリズン・ブレイク #5・6 悪魔の孔と三つの道

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
プリズン・ブレイク コレクターズ BOX1

◆レンタルDVDにて鑑賞。480P出力。32インチモニターにて。5.0chドルビーデジタル音声。

◆1話2話では,今ひとつはまりきらなかった「プリズン・ブレイク」。今やもう虜である。


◆#5では,緊急時にパトカーが3つの道のどこから来るのかを,非常に危険な綱渡りをしながら実験で確かめようとするスリル。この実験を成功させるために,主人公のまわりのセル(細胞:仲間)が手を貸す。所長室の合い鍵を鋳造するのは,主人公の足の小指を切った男だ。脱獄を達成するためにこのセル達を増やし,使っていくところがおもしろい。


◆#6では,空調を故障させることで,獄内の暴動を発生させ,その間に脱獄作業を進めようとする,すごい話。しかし,暴動は予想以上の拡大。主人公が気にかける女医へ囚人達の魔の手が迫るというジレンマ発生。この暴動で,監房の脱獄穴がゲイ囚人に発見され,彼が新たなセルとなるのか。


◆悪魔の孔は壁へ穴を開ける手段だが,暴動の起きた刑務所自体が悪魔の穴と化し,スケールの大きいサスペンスを形作る。次のストーリーを待つ気持ちは「24」なみに,もう止まらない。

船を下りたら 彼女の島 島の夕日の美しさ

東宝
船を降りたら彼女の島

◆BS-hiハイビジョン放送をHDD録画で鑑賞。32インチ直視管モニター。2ch音声。

◆「がんばっていきまっしょい」の磯村一路監督の愛媛シリーズ。


◆ハイビジョンで見る島の自然の美しさは格別。この風景がたぶん主人公であるが,そこにマリッジ・ブルー,小学校時代の淡い恋,鶴姫伝説などをほんのりと配して,落ち着いたほっとする作品に仕上がっている。


◆登場する誰もが感情をむき出しにしないで,静かに語る。あるいは,大杉蓮のように,語ることすらせず,じっと美しい海を見ている。それらが,映画の落ち着いた雰囲気を作り出す。ああ,こんな映画もあるんだなあ。


◆主人公の婚約者が島に来て,言う。「なんで彼女が明るくてあったかいのか不思議でした。でも,ここに来て分かりました。こんな海を毎日みて育ったんですよね」どんな風景を見て育つかそれがそのまま教育になる。そんなこともあるのだろう。自分はどんなものを見て育ってきたのか。幼い頃に見てきた故郷の街は,いつ訪れても胸が痛くなるほどなつかしい。たぶん割にいいものを見て育ってきたのだろう。洋館,狭い路地,お寺,教会・・・。幸せに思う。

フライトプラン スケール感は・・・小さい

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
フライトプラン

◆レンタルDVDにて鑑賞。1080i出力。ドルビーデジタル音声。5.0ch再生。

◆予告編は良くできていて,とてもおもしろそうで観たくなる。だが,実際はこじんまりしたあまり心のひだに訴えてこないスケールの小さい作品である。


◆飛行機の内部という限定された密室で,濃密なドラマを展開するにはシナリオのおもしろさが大切になってくる。ここがこの作品の弱点であろう。犯人が分かったとたんしらけてしまう。


◆予告編では,子どもの失踪を確信するのに,窓に残したハート型がその根拠となるというふうに見えるが,本編ではそうでなく,ジョディーは終始,自分の考えに確信をもっている。セラピストとの会話にも,一瞬人間的な弱さが出そうになるが,強固な意志で打ち消され,鉄の女は戦い続ける。彼女には迷いや葛藤が無く,そこが逆に感情移入を妨げたのでは無かろうか。


◆ネタもととなった,ヒチコックの「バルカン超特急」は観てみたい。



ぼくは怖くない 広い空驚異の高画質

ビデオメーカー
ぼくは怖くない

◆BS-iハイビジョン放送をHDD録画して視聴。2ch音声。

◆どこまでも続く黄金の麦畑。とんでもなく広い青空。白い雲。麦の穂の中を進むキャメラ。麦の穂が手に取れそうなほど恐るべき高画質ソフトである。


◆イタリアの海にほど近い村の明るい太陽と対比的に真っ暗な穴。汚れた毛布の中の闇。どこまでも吸い込まれそうな漆黒の闇に恐怖心は募る。それに負けない少年の勇気を描いた作品である。


◆うだるような夏の暑さを,母親アンナの胸元にしたたる汗が匂い立つばかりに官能的に表現する。イタリアの女性は非常に魅力的だ。


◆音楽は弦楽器を主体とした,美しい繰り返しの音楽だ。マイケル・ナイマンだろうか?エンドタイトルまで放送されなかったのは残念。


◆遠景と接写の美学。一言で言うとそんな作品だ。

プリズン・ブレイク#3 セルテストとは

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
プリズン・ブレイク コレクターズ BOX1

◆レンタルDVDにて鑑賞。480P。32inchブラウン管モニターにて。ドルビーデジタル音声。

◆「24」の20世紀フォックスが送るサスペンスドラマ。その第3話。第2話の終わりで,植木ばさみで足の小指を切られそうになるが,そのおぞましい仕打ちは現実となり,一気にリアリティを増す。自分の無くなった足の指を見て,一筋の涙を流す主人公。知的でクールな中に,人間くささを見せてすばらしい演出である。


◆さて,題名がわかりにくい。「セルテスト」とは何だろうか?脱獄計画を練るシーンがフラッシュバックされるが,壁いっぱいの地図や張り紙の中に,「CELL TEST」との手書き文字が出てくる。「CELL」は「細胞」あるいは「小部屋」という意味であるが。


◆本話でテストされるのは,同じ部屋のスクレという黒人である。彼は石けんの携帯電話で主人公スコフィールドを裏切るかどうかが試される。見事に期待に応え,スクレは裏切らない。脱獄のための仲間と認定される。脱獄をひとつの生命体と考えると,スクレはそれを構成する「細胞」の一つということなのだろう。


◆脱獄計画の張り紙には「狐は速い」という文も見受けられた。これは今後のストーリーに関係してくるのであろうか。だんだんに謎が提示されてきて,おもしろくなってきた。